松元 悠 個展『架空の竜にのって海をこえて幻の島へ』(1/31~2/7)
作品が続く。距離、立場、時代が変わること。
〈アルマゲール島(曽祖父の記憶)〉という作品群が作られたのは、
作者が修了制作展で学内展示をした2018年のことである。
母が切り抜いていた新聞の記事がきっかけで、2点のリトグラフ作品と1点の映像が作られた。
3年後の現在。緊急事態宣言が京都で発令される中、もう一度箱を開け、この作品群を並べるのには理由がある。
[期間]2021年1月31日(日)〜2021年2月7日(日)
[時間]11:00〜19:00 (最終日16:00まで)短縮営業のため
[場所] kara-Sギャラリー(入場無料)
※こちらの展示は終了いたしました。ご来場ありがとうございました。
〈ステイトメント〉
作者は、マスメディアが報じる事件の“周縁”を歩くことから制作を始める。
知り得た情報を元に、事件現場や当事者に関係する土地を歩いてその場所の素材を収集し、リトグラフ技法を用いて一枚の版画にする。
それはドキュメンタリーに用いられるような、事件の本質を探すための行為ではない。
当事者の追体験を試みた先にあった景色、人間、土地柄から、作者の想う当時者像の再構成、事件のディティールを捉えるための行為である。
ニュース番組などで事件を知る時、自身が目の前で経験していない出来事への「わかったような」感覚にとらわれる。
しかし、現場へと足を運ぶたびに、その感覚は理解や解決などではなく、作者自身がただ“他者を想う”事実のみだと感じさせられる。
そこから作者は、消費でも共感でもない他者への向き合い方を、ルポルタージュ絵画として表現することに徹することとしている。
松元 悠
1993年京都府生まれ。2015年京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース卒業。
2018年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了。
近年の主な個展に「独活の因縁」(MEDEL GALLERY SHU、東京、2020)、
「活蟹に蓋」 (三菱一号館美術館、東京、2019)、
グループ展に「ALLNIGHT HAPS 2020 Probable Cause 」(HAPSオフィス1F、京都、2020 )、
「日日の観察者」(HOTEL ANTEROOM KYOTO l Gallery 9.5、京都、2020 )など。
Instagram :@matsumoto_haruka333
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